無足場機(RCM/ARM)の概要

高所法面などの斜面上の工事においては、一般的にパワーショベルのようなクローラシューを装着した機体をベースにした専用機を用いて登坂しますが、傾斜は仕様値でも 30~40°が限界です。

登坂可能な斜度はエンジン、ミッション、作動油タンクのオイルレベル等の要因で決まりますが、実際に登坂する場合、車体の傾きに伴なって運転席も傾くことから、恐怖心のため実質的な操作限界は仕様値を大きく下回ると思われます。

傾斜角度の大きな斜面における工事では、法面下部から大がかりな作業台や通路を設置し、その作業台の上に大型クレーンを用いて必要な機械や資機材を持ち上げて作業したり、また人力で作業したりするため、工事期間が長期となり、コスト負担も大きくなってしまいます。

当社が独自開発したロッククライミングマシーン(RCM)やアンカーロックマシーン(ARM)は、高所法面等の斜面上を登坂・降坂できる機構を付加した機体構造となっています。

下図に示すように、斜面上部に十分な強度を持ったアンカーを設置して、本機下部の走行体に取り付けられているウィンチ装置のワイヤーロープ端部を、そのアンカーに確実に固定します。

このような状態で、走行しながらウィンチを巻き上げることにより登坂し、またウィンチを巻き戻すことにより降坂しますので、急斜面においても機体を保持することができるとともに、リフティング装置により上部作業機体およびエンジンハウスを水平に保って、安定した作業ができる構造となっています。

なお運転者が搭乗操作するだけでなく、車外からラジオコントロール(ラジコン)操作する機種もありますので、落石や崩壊など万一の事態における安全も確保できます。


【図】作業状態図



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